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ミスター・ドン加藤 in カナディアン・ロッキー
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ミスター・ドン加藤 in カナディアン・ロッキー

ルックアウト・マウンテン:コカニー・グレイシャー:カナディアン・ロッキー

カナダ・ビールの有名ブランドと言えばコカニー。その名の由来はコカニー氷河。そこは、カナディアン・ロッキー西部、ネルソンの北に位置し、ブリティッシュ・コロンビア州立公園に指定された山域。世界的に有名な観光地バンフ、レイク・ルイーズ、ジャスパーに聞こえる喧騒とは無縁の、云わば知る人ぞ知る穴場。以前から気になっていたこの場所に、カナダ在住日本人登山家(そして写真家)、加藤幸彦氏と一緒に行くことになった。



9月11日 くもり (ギブソン・レイク → スローケン・チーフ・キャビン 4:30h)

ギブソン・レイクまで車で入る。ちょうど州立公園レンジャーがいて、山の様子を聞く。日本では全国どこでも詳細な地形図が手に入る(今ではインターネットから簡単に)が、カナダではなかなかそうはいかない。今回も地形図なし。簡単なガイド・マップがあるだけ。

当日の目標、山小屋スローケン・チーフ・キャビンまで10キロ。緩やかなトレイルを登って行く。峠(コカニー・パス)から上は一面雪化粧。コカニー・レイクで5センチの積雪。雲間から見えたルックアウト・マウンテンも真っ白だった。この年(2000年)は山に冬が来るのが早かった。

峠を少し下るとスローケン・キャビンに着く。テント場も含め、誰もいなかった。

キャビンに管理人はいない(通常レンジャーが見回りに来る)。使用料は専用封筒に入れ、備え付けボックスに投入する自己申告式。一泊15ドル。テーブルがふたつ。台所にはガスコンロ。カナダの山小屋にはよく薪ストーブがあるが、ここは電気式ヒーター。このキャビンは2階建てで、2階の板の間に寝るようになっている。テントを持って来たが、キャビンが快適そうなのでここに泊まることにする。

ビジターズ・ブックを見ると、クリスマス・シーズンに多くの人が来ている。ここは山スキーのベースになるのだ。

壁に3つのルート図が記されたコカニー・グレイシャーの写真が貼ってあった。夕食後、これを見ながら明日の行動を検討する。



9月12日 くもり時々みぞれ、のち雪 (スローケン・チーフ・キャビン → バトルシップ 往復 6h)


予想外の雪だったので、アイサックス(ピッケル)はあるものの、クランポン(アイゼン)など冬山装備は持って来なかった。行ける所まで、という条件付で、バトルシップへ向かう。一旦2つ目の峠に戻り、ルートを探す。ここから先、整備されたトレイルなどない。ドンの指示に従い、コカニー・グレイシャー向かって右手ピークの尾根を辿る。

やがて森林限界。ケルンを発見した。風があり、止まっていると冷えてくる。氷河の淵のシュルンドに入って小休止する。


シュルンドの中で小休止するドン加藤
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時折ガスが視界を遮る。高度的にはかなり稼いだ。左手に、意外に広々したバトルシップ頂上が見える。今日はここまで、と言っていたドンが、上の様子を見るため、急峻な氷河のエッジを登り始めた。しばらくして、上がって来い、との指示が。ドンのステップを辿り、登って行くと、傾斜が緩やかになった。ここから氷河を横断する。深い雪を被った氷河は、足が潜るが、逆に、滑ることなく歩行できた。視界ゼロだったが、バトルシップ頂上に立つことができた。先生と握手する。


新雪に覆われたコカニー・グレイシャー(雪ダルマは意図せずも我々が残したもの - 後方はバトルシップ・マウンテン)
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早目に下山する。みぞれが舞い始めた。登りは雪の少ない所を選んだが、下りは雪の斜面を行った方が早い。

1:30PM、キャビン着。デイハイクのグループがいた。写真を撮ってあげた。



9月13日 快晴 (コカニー・パス → ルックアウト・マウンテン 往復 4h)

朝。清清しい快晴だが、放射冷却で一気に冷え込んだ。新雪がカチカチの氷に変わっていた。

キャビンを引き払う。あとはギブソン・レイクに下山するだけ、気が楽だ。峠に出ると太陽を浴びて、暑い。ジャケットを脱いだ。


バトルシップを振り返る コカニー・レイク & ルックアウト・マウンテン
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コカニー・レイクまで来ると、辺りの雪は解け始めている。入山時よく分からなかったルックアウト・マウンテンが全貌を現わした。しばらく眺めていたドンが、空身での山頂往復を宣言した。

ドンのアタックザックに必要最小限の物を詰め、2本のピッケルを着ける。2つの大型ザックは木陰に残し、ザック・カバーを旗のように枝に着け、目印とした。

右手の広大な尾根目指し、開けた沢筋を登った。森林限界を超え、かなり傾斜がきつくなった頃、なだらかな稜線に出た。ガレ場を過ぎると一面雪。あとは頂上へ一直線。


ルックアウト・マウンテン ルックアウト・マウンテン山頂直下から下界を見下ろすドン加藤 ルックアウト・マウンテンへのアプローチ
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山頂直下を横切るトレースがあった。他にも登山者がいた、と思った。ところが近づいてみると、それは熊の足跡だった。熊も登山を楽しむのか?

ルックアウト・マウンテン山頂からの眺め(北部) ルックアウト・マウンテン山頂からギブソン・レイク方面を見る
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ルックアウト・マウンテンの頂上は、広大な尾根からナイフエッジ状に突き出ており、下からの印象と違い、意外に狭い場所だった。岩が露出して、雪が積もるスペースもない、といった感じだった。と言っても、腰を下ろす場所はあった。無風快晴。ゆっくり360度のパノラマを楽しんだ。




ヒマラヤ、アンデス等の未登峰の難山を踏破。戦火のベトナムでビジネス。69歳で8201メートルのチョオユーに登頂。「ドン加藤」と呼ばれ、失敗しない男の異名をとる著者の魂の声。

「MARC」データベースより





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