アラスカ・マリン・ハイウェイの北の終着点スキャグウェイ。
今は500人が住むだけの町が、かつては人口15000を数えるアラスカ最大の町だった。
豪華客船が来る時、スキャグウェイの夢が蘇る。シアトル発展の要因もここにあった。
110年前、ジャック・ロンドンを含む何千という金に憑かれた人々を遥か北、ユーコンへと送り込んだチルクート・トレイルは、現在アメリカ、カナダ共有の国立公園として、また歴史的遺産として保存されている。 |
スキャグウェイの北9マイル、ゴーストタウン、ダイーからチルクート・トレ
イルの旅は始まる。
元は小さなチルカット先住部族の集落であったダイーもまた、ゴールドラッシュで一夜にしてアラスカ有数の町になり、そして、鉄道によるホワイト・パス・ルート開設と引き換えに、時の彼方へ消え去って行った。
|
スキャグウェイのホステルで出会った仲間とパーティを組む形になった。ドイツ・カップル、スイス娘、オージー・ガイ、そして日本野郎。言わば、チルクート国際隊の出来上がり。
クロンダイカーは、遠く北極圏のドーソン・シティまで行った。
現代のハイカーの目的地は、マイル33のレイク・ベネット。
*クロンダイカー: クロンダイク黄金郷を目指す者 |
当時のスタンピーダーは夏はカヌーで、冬は犬橇でタイヤ川を溯った。現在のトレイルは、しばらく1950年代の林道跡を辿る。
シープ・キャンプの先にトレイルの核心部チルクート・パスが控えている。
初日はシープ・キャンプに泊まり、体勢を整え、翌朝一気に峠を目指す。
うっそうとした北太平洋岸の雨林に囲まれたキャンプサイトを見ていると、かつてここに8000人を擁すテント・シティがあったとは、にわかには信じ難い。
*スタンピーダー: 暴走する・押しかける者 |
2日目。
夏のアラスカには珍しく、好天に恵まれた。
シープ・キャンプを過ぎれば、トレイルはぐんぐん高度を上げていく。
そして、森林限界が近付いた時、峠が立ちはだかるように現れる。
「スケール」 と命名されたポイントだ。
斜度45度の登りは、
「ゴールデン・スティアーズ」 (黄金の階段)
と呼ばれた。
スタンピーダーは、多い者で30回ここを往復して荷揚げした。ここでは馬や犬はもとより、果ては羊まで荷役に駆り出された。
かつてはここに動力トラムからレストラン、ホテル、そして酒場まであった。ここには当時の遺物が手付かずで、今も残されている。
ツワモノドモノ夢ノ跡。 |