*****ドメスティックバイオレンス(家庭内暴力) その2*****

「今度というのが、あって欲しくない。」と大家さんのエマニュエルが言っていた
にもかかわらず、アパートに住む女性に対するBFによるドメスティックバイオ
レンスは再び起こった。レイ(夫)がフランス出張のためシングルライフ満喫中
の私は、夜中の12時半、金曜日に映画を観て帰ってきた。家に入った途端、彼
女の叫び声が聴こえた。私は受話器を握りしめ警察に電話。そう、これを書くち
ょっと前に電話した。黒人女性のオペレーターが電話に出る。(黒人か白人かとい
うのは喋り方ですぐにわかる。)
「上の階の女性が叫んでるんですが。」と私。
「住所は?」住所を教えた。
「What floor?」と言ったのが、floorのFの発音がほとんど聞こえない彼女の黒
人喋りで聞き取れず、
「Get Outとかいう叫び声が続いている。」と、ちぐはぐな返答をしてると、
「ミス、私が言ってる意味がわかってるの?」と聞いてきた。彼女が何度か繰り
返し、ようやくFloorと言ってることがわかった。
「4階よ。」
「さっき同じアパートの別の人からも連絡があったわ。すぐに行くから。」と電話
を切った。

すぐって言っても警察は10分くらい来なかった。
そこいらをウロウロしてドーナツ食ってるくせにーまったく遅いんだからー。と、
窓の外を覗いていると、青と白のダサダサなNY Policeカーが通り過ぎた。まっ
たくもー通り過ぎとるやないのー・・・。イライラしながら、来ないのかなーと
思っていると、彼等は担当が別だったようで、他の車がやってきた。そして突然、
家の電話が鳴った。
「警察だけどアパートの入口の鍵を開けて。」と言う。電話番号も教えてないのに
電話してきやがったー。私がネットに電話の回線使ってたら通じなかったぞ!ブ
ツブツぼやきながら1階へ下りていくと、そこには紺色の制服に身を包んだ白人
の若い男性に白人の若い女性そして黒人の女性2人。総勢4人の警察が立ってい
た。
「あなたが電話したの?」白人の女性が問う。
「そうよ。上の女性が叫んでるから。大家さんによると、彼女はボーイフレンド
にアビューズ(虐待)されてるっていうの。」
「4階ね。」と4人はドヤドヤと階段を上がる。

ドヤドヤと騒々しい音で家の隣のおやじクイックも出てきた。
「彼女は3時間近く叫びつづけてるんだ。俺は叫び声で目が覚めちまった。警察
は誰が呼んだんだ?」と私に聞く。
「私だよ。エマニュエルが電話しろって言うから。彼女がアビューズされてるら
しいし。」
と私は答える。
「まったくクレージーだ。」クイックは寝起きで目を真っ赤にしている。
「まったくクレージーだよー。」と私も相槌をうつ。

警察は叫んだ彼女の家のドアをドンドンと叩きまくった。
和太鼓の演奏会みたいにドアを叩く大きな音が小さなアパートに響き渡る。しか
も凄い速さなのだドンドンドンドンドンドン・・・。まるで『北斗の拳・激打2』
のタイプ練習ソフト状態。って使ったことないけど、欲しいなーこのソフト。キ
ーを叩くたびに『あたたたー』と声が発せられるゲーム感覚のソフトだとか?こ
んなに楽しいソフトを開発できるなんて日本は、やっぱり素晴らしい!

話を元に戻そう。警察が、しつこくドアを叩きつづけるが、彼女はドアを開けな
かった。
「ポリース!ドアを開けなさい。」と、散々ドアを叩いた後に、叩いてるのが警察
であることを知らせた。
家の真上に住むおばさんグラリスも起きてきた。私の顔を見ると「困った人たち
ね。」と同意を求めるべく両手を上げて肩をすぼめた。
警察は私に聞く、
「どのくらい前に叫んでたの?」
「ついさっきまで。」と私。
「もう3時間近く叫びつづけてるんだ。」とクイック。

私は、いつまで観察しててもしょうがないので、部屋に入った。
数分後、ようやくドアを開けたようで、
「通報があったから来たんだけど、大丈夫なの?」といった会話が交わされた。
警察は、すぐにPoliceカーへ舞い戻り、そそくさと帰っていった。

まったく人騒がせな奴だ。これだけ人に心配かけて迷惑かけて、SMプレイなん
かやって喜んでたらブッ殺してやるぜ!と憤る私だった。

オイオイまた叫び声が聞こえたよー
もう午前3時過ぎてるよー
私は、もう寝るぞー
 
 



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