*****NYでの危険性とは?*****
「NYへ行きますが、安全ですか?一人でも大丈夫ですか?」という質問が多い。
安全か安全でないかは、正直な話、答えられない。それは、その人の運と態度が
左右するからだ。
以前ブルックリンに住んでいた頃、ルームメートだった日本人の女の子(20代
前半)に「夜は、いくら私たちが住んでる地域が安全だからといっても用心のた
め、タクシーで帰ってくるのよ。」と、いつも注意を促していた。ある日彼女は、
家から2駅ほど離れた地下鉄で友人と別れた後、遅くなったけど、まだ午後11
時前だからいいや。と、歩いて帰っていた。人影の少ない通りになると、さすが
に不安になって早足で歩いた。
ふいに車の陰に隠れていたブラックの男の子が、彼女に前方から覆い被さり、彼
女は仰向けに倒れた。「Give me money.」と脅したらしいが、驚いた彼女は「キャ
ーッ」と悲鳴をあげた。偶然、近くのアパートのドアマンが悲鳴を聞いて助けに
来てくれた。男の子は、「I'm sorry」と言って逃げた。「子供だったから脅したも
のの申し訳ないって思ったのね。」と、この時は何も被害を受けなかったから良か
った。
数年後、彼女は大学へ通いはじめ、安全だと言われる学生寮がある場所に住んで
いた。ほとんど学生しかいないし、夜も安全だと言っていた。ところが、再びブ
ラックの男の子二人に襲われた。一人が彼女の脚を抑えて一人が彼女の顔を殴っ
たという。金を取るわけでもレイプするわけでもなく、ただ彼女に暴力をふるっ
た。彼女は顔や手足に、かなりのキズを負った。
不運といえば、不運だ。二回も襲われるとは・・・
そして私が思ったのは、育ちの違いが警戒心として現れるということ。彼女は、
育ちがいい。企業経営者のリッチな父のもと、持ってるものも高いものばかりだ。
もちろん本人は、それが自然体だから気取ったりしない。貧乏人が、せっせと貯
金して海外旅行で買ったプラダのバックを自慢してるレベルではない。
彼女のように貧しい暮らしを経験したことが無ければ、ヤバイ地域で育ってなけ
れば、ヤバイ地域の人の思考回路が読めないと勘違いし、警戒してしまうのだ。
同時に、私のように貧しい暮らしを経験していれば、ヤバイ地域の友人ばかりい
れば、ヤバイ地域でも脅えることを知らない。それは所詮、同じムジナの人間だ
と思えるからだ。
それでは何故、彼等は襲いかかったのか?それは脅える彼女が可愛くて好奇心を
そそられたからだ。
相手が自分を警戒してるってことは、小動物が人を警戒する様と同様、直感的に
感じ取れる。そのうえ可愛いともなると、虐めたくなるのは当り前だ。それは、
可愛い仔猫が震えて脅えてるのに、人は大声をあげて威嚇し、ピクリと猫が動く
様を楽しんだり、お茶目な犬が、石を持ってる人間を警戒することを知っていな
がら、石を投げつけるフリをしてタジタジと引き下がる犬の姿を面白がる行為に
似ている。
危険な目に会わないようにするってことは、警戒しないことである。ただし、育
ちのいい人は警戒しない以前にヤバイ地域に近づかないことの選択を勧める。そ
して、いくら安全な地域だといっても注意を欠かしてはならないことは必須である。