
海外添乗と言う仕事に携わっていろいろな国を訪れました。それぞれ国によって違いも共通点の有ることも体験的に学びました。そして、この相違点・共通点は日本人である私自身に常に多くの刺激を与え、旅行そのものが「現実」「日常」生活となった今でも、やはり多くの刺激を「旅行」は与え続けてくれます。旅行者にとって「旅行」は「非日常」を楽しむための時空間だと思います。「日常」から離れた時を過ごすのは楽しい事と思いますが、そんな時にも、ほんの少しでも旅先の「日常」に目を向けて下さい。きっと面白い発見があると思います。そのような旅行の「日常」と「非日常」を少しでも伝えられたらと思います。
旅行:では旅行に関する事について書きたいと思います。
ホテル:で建物全般について。
絵について:では絵画等に関する事について。感じた事を思いのままに書き連ねていきたいと思います。
旅行:写真は、香港島の夜景です。久しぶりに訪れた香港はだいぶ変わっていました。街も人も。1997年に中華人民共和国に返還される前から、多くの香港人がカナダ、オーストラリア等へ移住しました。中国に返還されるとどうなるか分からないと・・・。バンクーバー(カナダ)などは街並みが変わりました。バブルのはじけた日本に変わって、お金を持った香港人が住み着いてくれました。
海外ではどの街を訪れても中華料理が食べられます。 大陸を離れて世界に拡がって行った中国人はそれぞれの国に街に根をおろして、そこで生活して違和感なくなっていきます。中華料理の味は国によって違います。味もそれぞれの国に合った味付けになっています。人もその国の一部になっている感じもありますが、しかし決して生まれ故郷の事は棄てたりはしません。
今回は香港の香港島側に滞在しました。以前は香港島へは水上レストランでの食事とビクトリアピークからの夜景を見る、と言う目的で訪れています。
宿泊場所はアドミラリティーに在るホテルでパシフィックプレイスの一角でした。ここは[MALL」で、アメリカナイズされた造りのMALLには毎日たくさんの人が行き来していました。そこで一軒の店に入ると、スタッフはすぐに香港人(中国人)ではないと分かる顔立ちの女性が応対してくれました。尋ねるとフィリピン人との事。店の8割はフィリピン人で、残りは中国人。店のオーナーは香港人ではなくドイツ人。香港以外の資本と労働力で事業が行われています。
日曜日、セントラルまで出ました。アドミラリティーとセントラルは歩いても15分ほどです。この地区は高層の建物が建ち並んでいます。建物と建物が屋根付の渡り廊下で繋がれ、地下に潜ると地下鉄へのアクセス通路が有り殆ど外に出ることなく移動できます。建物も面白いかたちのモノが多く、風水を取り入れて建築された建物があるとか・・・。
建物から渡り廊下に出ると、たくさんの女性がコンクリートの床に敷物を敷いて、少人数のグループに分かれ写真を見せ合ったり、お菓子を食べながらおしゃべりをしていた。仕事休みの合間に情報交換をやっているようです。シティーホールの回りもたくさんの女性達がたむろしていた。フィリピン、インドネシアからの出稼ぎの人達です。ヨーロッパでも決められた曜日に駅前広場等に出稼ぎ外国人が集まって情報交換をやっている様子は見られますが、香港で見られるとは驚きでした。渡り廊下や広場を使って週に一回(?)息抜きを朝から夜の9時ぐらいまでやっています。行き来する人は無視するように歩いています。特に取締があるわけでもないようです。香港の経済にとってこの出稼ぎ者の労働力と消費は大きな要素になっていると思います。日曜日にはクウィーンズウエイプラザの商店が、出稼ぎの人達の為に安い商品を売り出しています。香港で稼いだお金は香港で使ってもらおうと言う商魂の逞しさ。
アメリカナイズされたビジネスは人出の多いMALLとそうでないMALL、安売りの商品を扱うMALLと高級ブランドを扱うMALLを創り出します。客を選んで商売をします。もしかすると既に香港でも15年、20年以上前から採用さえていたビジネス手法かもしれませんが、今回の香港訪問の再発見でした。
ホテル:写真は、スウェーデンの特養ホームのアパートの一室です。室内写真と言う理由で載せました。壁にたくさんの飾りモノや絵があります。ヨーロッパの建物は石造りで味も素っ気もない空間なので、何かモノを置いたり、飾ることで人は落ち着いた気分になれたのかもしれません。
人には「空白への恐怖」と言われる本能的な感情があり、ただの白い面でしかない壁を見ていると、何かを描いて空白を埋めたくなると言われているそうです。この事は石造りの空間で生活してきた人に言える気がしますが・・・。
逆に、我々日本人の本来の住空間は開け放たれていましたので、簡単に外の風景を内に取り込むことが出来ました。そのような住空間で生活してきた日本人の中に、どれだけ「空白への恐怖」を抱いている人がいるのか分かりません。統計を取ってみると面白いと思います・・・。
我が家も公団の建物ですので、壁で囲まれている部分が多くなります。それでも、白壁に何も飾っていない空間があっても苦になりません。
長い間、住まってきた住空間の影響が知らず知らずのうちに我々にも、どのように室内を飾るか?と言う問いかけをして来たのだと思います。
絵について :写真は、ブルガリアはリラ僧院の中庭にある教会堂外壁に描かれた壁画です。描かれている内容は煉獄図です。西側カトリックにも煉獄図は有りますが、絵の醸し出す雰囲気は、他の東方教会のギリシャ正教、ロシア正教とも違います。東欧に位置するブルガリアですが、東洋的な、仏教絵図の雰囲気を感じさせる独特な旧約、新約の話が壁、天井に描かれました。
リラの僧院は、現在は10人ほどの僧侶がいるだけですが、長い間、ブルガリアの文化芸術の中心地でありました。教会としても、この僧院だけに限らずブルガリアの教会は、信仰の匂いがします。西側カトリックの観光地化された多くの教会とは違った趣があります。頑なに信仰の場所としての空間が保たれています。今回は、以下にこのリラ僧院の外壁、天井画の写真を掲載します。
観光写真を更新しました。6月11日日曜日
香港の返還年について間違いの指摘をいただきました。90年は97年でした。ありがとうございました。
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更新日:2000年06月11日日曜日 制作:村上精紀