空と文字(FIELD)


ー国についての予備知識ー

Map of "Ireland" ● 基本データ

【 位 置 】 ヨーロッパ最北西 (イギリスの左隣)
【 面 積 】 70,282平方キロメートル
【 気 候 】 西岸海洋性気候
【 人 口 】 約560万人 
(うち北アイルランド約170万人 ※2003年現在)

【 人 種 】 ケルト系・アングロノルマン系アイルランド人
【 言 語 】 アイルランド語 (ゲール語)、英語
【 宗 教 】 キリスト教 (カソリック95%、プロテスタント)
【 時 差 】 −9時間 (サマータイム時は−8時間)
【 首 都 】 Dublin (北アイルランドはBelfast)
【 通 貨 】 ユーロ 

● アイルランドとは、、、

 さすがにアイルランドとアイスランドが同じだと思っている人はもうあまりいないだろうが、他の英語圏の国々に比べれば、まだまだ知名度は低い国だと言えよう。

 私が「アイルランドに留学してた」と話すと、たいていの人は「ああ、あのイギリスの隣の島?」と確認する。それは確かに間違っていない。でもその次に来る言葉が「あそこって危なくないの?」と来たら、この人はアイルランドをわかっていないんだなーと思わざるを得ない。

 アイルランドは大きく2つに分けることが出来る。南側の、Dublinを首都とする
アイルランド共和国。それに対して北側にあるのがBelfastを首都とする北アイルランド。そして 「アイルランドに語学留学をしていた。」と言えば、たいていは南の共和国のことを指す。

 南は至って平和である。危ないと一般的に言われるのは北の方。現在までのところイギリスの領土であり、共和国に帰属したいと願うカソリック系のアイルランド人による組織“IRA”によるテロが頻発した時期があった。だが現在は停戦中であり、IRAの活動を伝えるニュースも入ってきていない。北アイルランドも十分観光・滞在の可能な場所である。

● どんなところ?
 アイルランドと聞くと、寒い国だと想像する人が多いのではないだろうか?実際はどうかというと、これが意外なことに東京とさほど変わらないのである。緯度で言えば日本よりも15度ほど上になるが、暖流であるメキシコ湾流の影響で冬でもわりと過ごしやすい。雪もめったに降ることはない。

 どのくらいの大きさの島かというと、だいたい北海道と同じだと考えてもらえばいい。その小さな土地に静岡県とほぼ等しい人口が暮らしている。その人口のうち約半数は25歳以下(1996年調べ)だというから、かなり
若者人口の多い国である。

 南の首都Dublinは100万人以上の人が住む大都市。その他の主要都市にはCork, Galway, Limerick, Belfast等があり、地方の町を観光するための足がかりとなる。交通機関としては電車とバスがあり、どちらも十分路線が発達している。地下鉄は存在しないが、Dublinには
DARTと呼ばれる海沿いを走る郊外電車があり、市民の通勤の貴重な足となっている。

● アイルランド独自の文化
 独自の文化といって真っ先に思いつくのは
音楽でしょう。音楽の国と言っても過言でないほど、アイルランドは音楽で満ち溢れている。そのため世界的に有名となったアーティストも多数輩出している。例えば、U2やEnyaなど。意外に知られていないようだが、The Beatlesのメンバーのうち3人がアイリッシュ系であったりもし、もともとアイリッシュは音楽性に長けた人種とも言える。

 優れた音楽が生まれるのには環境に多いに要因がある。アイルランドではどこへ行っても
Pubと呼ばれる酒場がある。アイリッシュは毎晩のようにPubへ足を運び、仲間、あるいは見知らぬ人たちとお酒を飲みながら陽気に語りあう。その場に欠かせないのが生演奏。どこからともなくミュージシャンが集まって演奏し、客はその曲に合わせてごく自然に歌ったり、踊ったりする。全ての人が音楽を共有する空間なのである。

 また、もう一つ欠かせない音楽の場がストリート。その代表がDublinにあるGrafton St.。そこでは常に何組かのミュージシャンが思い思いの楽器を演奏し、自己主張している。そんな彼らのことをアイルランドでは
バスカーズと呼ぶ。

 
文学に関しても、アイルランド人の活躍は目覚しい。あんなに小さな国であるにもかかわらず、4人ものノーベル賞受賞作家がいる。(W.B.Yeats等)ノーベル賞は取っていないが、James Joyceも世界的に評価を受けている作家であり、彼の代表作である「ユリシーズ」は最も難解な文学作品とも言われている。現代の作家ではRoddy Doyleが有名である。ユーモアあふれる独自の作風が人気を呼び、「コミットメンツ」や「スナッパー」といった作品が映画化されている。

 もうひとつ独自の文化として忘れてはならないのが
言語。残念ながら今は特定の地域(主に西部)でしか日常的には使われていないが、アイルランド語(ゲール語)というれっきとした独自の公用語が存在する。もともとアイルランド人はアイルランド語を話していたが、イギリスに支配された際に英語の使用を強いられ、現在でもその名残で国民の大多数が英語だけを話して暮らしている。しかし近年アイルランド語を復活させようとする運動が起こっており、学校での学習を義務化したり、アイルランド語のラジオやテレビ番組が放送されていたりしている。駅名や道路標識なども、英語とアイルランド語の二つで表記されている。

● 観光地としてのみどころ
 1.
自然
 観光地としてのアイルランドの魅力といって真っ先に思いつくのは自然
。エメラルドの島と呼ばれるほど、自然に溢れる地である。
 大自然を満喫したいというのであれば、西部のConnemaraや南西部のRing of KerryやDingleがお勧め。レンタカーを借りてひたすら走ると、自然の中に吸い込まれるような気さえもしてくる。

 ConnemaraはGalwayから北に広がる半島地域。山脈や森林、湖、泥炭地帯と起伏の激しいことがこの地の特徴。夏のコネマラ国立公園には多くの自然愛好家が訪れる。
 Ring of KerryとDingleは、共にKillarneyという町の西側にあたる半島。Ring of Kerryは半島を一周するのに車でおよそ3時間。絶好のドライブコースとなっているので、じっくり時間を取って廻るといい。Dingleの半島では港町(Dingle)に宿泊して、そこを拠点として自転車等を利用して観光するのもよい。先端地域には数多くの遺跡も点在する。

 釣り好きの人であれば、シャノン川の流れる中部の町AthloneやCarrick on Shannonで、あるいは南部の都市Cork近郊のブラックウォーター川流域にて釣りを楽しむのもいい。

 2.
遺跡
 アイルランドは古墳や教会跡等の遺跡や城が各地に多く残ることでも有名。
 特に遺跡が集中しているのが、Dublinから車で約1時間北上したところにある小さな町Drogheda周辺。タラの丘(Hill of Tara)やモナスター・ボイス(Monasterboice)といった名所があるが、中でもニューグレンジ(Newgrange)は世界遺産にも指定されているほどの大規模な墳墓群で、イギリスのストーンサークルにも負けないほど。5000年以上も前のものだと推定されている。古代遺跡好きの人にはたまらない魅力のあるものに違いない。交通機関の便のよくないところなので、Dublin発のバスツアーに参加すると効率よく廻れる。

 城も各地に大変数多く存在する。
 Dublinの中心地からダブリンバスに乗り、北へ数十分のところに美しい城Malahide Castleがある。Dublinしか廻る時間がない!という人におすすめ。
 地方であればLimerickの南東の町CashelにあるRock of Cashelや、Corkの北西にあるBlarney Castleがおすすめ。Rock of Cashelは90mの高さの岩に囲まれた大司教区跡。夜にはライトアップされ、とてもきれいらしい。Blarney Castleは高さ26mの石の城。城の中にはブラーニー・ストーンという有名な石があり、その石に仰向けになってキスをする(そうなる構造になっている)と雄弁になれるという伝説がある。
 その他、Galwayの北にある小さな町CongのAshford Castleも見ごたえがある。

 3.
その他の観光スポット
 
● アラン諸島(Aran Islands) ・・・ Galwayからフェリーで渡ることのできる大西洋に浮かぶ3つの島。1番大きなInishmore島にある断崖絶壁Dun Aonghasaは観光名所としてかなり有名。その他ストーンサークルや教会跡などの遺跡も一見の価値があるが、ただアラン島に行くだけでも十分満足できることは間違いない。
 島には公共交通機関はなく自転車(港近くで借りる)やミニバス、あるいは徒歩で廻ることになるが、荒涼とした土地に整然と並べられた石垣とその中に点々と存在する家との風景が素晴らしい。この島の女性が編むアランセーターも有名なもの。

 
● モハーの断崖(Cliffs of Mohar) ・・・ GalwayとLimerickのほぼ間くらいのところにある高さ200メートルの断崖。大西洋に面しており、風の強い日には荒波が打ちつけ、かなりダイナッミックな様相を呈する。霧の濃くなる日が多く、ぼんやりとした視界の中に見える断崖もまさに絶景。先端のオブライエン塔まではなだらかな遊歩道となっており、歩きながらじっくり絶景を楽しめるようになっている。
 
 
● ジャイアンツ・コーズウェイ(Giant's Causeway) ・・・ 北アイルランド北部の町Portrush付近にある石柱群。石の一つ一つが6角柱になっており、世界的に奇景としてその名が知られている。火山活動による沈降と隆起の繰り返しによってできたものと考えられているが、伝説では昔この地方にいたフィン・マックールという巨人が、恋する女性のために作った土手道の跡だと言われている。この無数の柱の道は約8km続き、足元に注意しながら遊歩することができる。

 


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