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カザフの話  

カザフの話
 

★はじめに
カザフスタン共和国、カザフ人は自らを『カザクスタン』と呼んでいる。これは旧支配国ロシアの影響で、ロシア語、英語表記共にカザフスタンとされているためで、すでに独立した現在は本来のカザクスタンと呼ぶべきながら、今だに一般的に使われているカザフスタンとここでも呼ばせてもらいます。
ちなみにタイではカザクスタンと表記されるものの、実際の発音では肝心の『ク』のところが発声されない位置にくるため、カザスタンと呼ばれている。こんなところでも相変わらずタイらしい抜け目なさを見せています。

★中央アジア、そしてカザフ
日本のサッカーファンにとって、中央アジアといえばやはり94年広島アジア大会におけるウズベキスタンの優勝が鮮烈でした。そしてカザフスタンに関しては昨年の五輪予選での印象が強く残っていると思います。アウェイでは中田の一発が効きなんとか勝ちましたが、やはり手強い相手であると感じたと共に、もしもあそこで負けていたらその後の展開はどうなっていたものか。
アジアのサッカー界に突如として現れた中央アジア勢、その中でも今後もっとも明るい未来を持っている、つまり未来の日本代表にとってもっとも危険な存在とも言えるカザフの話をさせてもらいます。

★油田発見
明るい未来とはあくまでPポン個人による予測にすぎませんが、キーワードは『石油』です。今月(7月)始めカザフで世界屈指の規模となる油田(推定埋蔵量500億バレル)が発見されました。同国の総埋蔵量は2000億バレルを超えるともいわれてきましたが、地球全体で確認されている1兆バレルの約5分の1を占めます。つまりは将来サウジのようにオイルダラーがあふれ、全世界に大きな影響力をもつことが可能(輸送面など課題は多い)だということです。

★サウジとの違い
イスラム教徒が多数派ながらサウジの様に絶対的多数ではなく、閉鎖的なサウジに比べ遥かに開放的で自由度が高いカザフ。今後の油田開発が順調に進み、オイルダラーをパトロンに持つクラブが続々と頭角をあらわしはじめたら、たちまち吸い寄せられるように世界中のトッププレイヤーが集まりだし、国内リーグのレベルアップ、それに伴ない代表チームも当然強くなると考えるのが自然でしょう。

★人種構成
国土は日本の約7倍と広く、旧ソ連ではロシアに次ぐ大きさながら、人口が1600万人台と少ないことがサッカー大国となるには弱点ですが、民族の数が100を超えるという人種構成の多様さにはおもしろいものがあります。
ロシア支配下時代のカザフは、いわゆる島流しの場所とされていた歴史があります。権力に反目しそうな人々などがカザフに追いやられてきたのですが、サッカーファンの注目はやはりドイツ人が多いことでしょう。ただ以前は100万人を数えたドイツ人たちも、ロシアからの急な自立による反動などによって経済状態が悪化した結果、多くがドイツ本国へ戻ってしまい、現在ではかなり減ってしまったようです。

★政治とサッカー
人種が豊富ということはそれぞれの関連国に太いパイプが持てるということで、たとえば韓国ともすでに交易で成功していますが、カザフには町でキムチが簡単に手に入るほど朝鮮人が多くいます。
政治、経済面で成功できるということは、当然サッカーでもAFCやFIFAにおける影響力などにプラスとなります。米国やロシアとカザフの石油権益をめぐって争うイランを筆頭に、カザフに接近したい国々が見事に集まったフセイン国王杯への参戦。自国の油田開発が不調の中国もカザフと中国横断パイプラン計画でその穴埋めを狙っていますが、やはりサッカーでもカザフとは親善試合などの交流を図っています。つまりはサッカーそのもの以外のおかげで人気者ということですね。

★いつの日か
日本が準優勝した昨年のWユース、この世界を舞台とする大会に早くも登場したカザフ。アルゼンチン戦の善戦があったものの、結局は3戦全敗で1次リーグ敗退でした。しかし彼らのようなソ連時代をよく知らない世代の選手達の活躍は、今後のカザフサッカーを占う意味で重要でした。
豊富な国土と鉱物資源を持ち、石油関連産業に大きな期待が持てる国。まだまだ時間が必要ながら、平和的な民族の融合を進め、経済成長を背景にした国内サッカーの整備、成長の行方次第では、アジアはもちろん世界を舞台に暴れまわる日が来るかのもしれません。

2000年7月12日